運命の出会い・・・かっ!?

 ついに雨は降られる事なく目的のお店に到着しました。会社の上司K
さんが知り合いの従業員さんを呼び出してくれました。何も面識のない
中古車自動車屋に飛び込むあの不安感もここでは皆無なことがなんとも
ありがたかったです。
 この車です、と案内されたジムニー1300cc・昭和60年式。紺
色のボディはちょっと傷はあるものの大きな凹みはなく、内装は年相応
のへたりはあったようですが、やはりリヤシートがしっかりとしている
ことが魅力的でした。オープンカーに対する憧れを抱かないで来店して
いたとするならば判を押すのに十分なものだったと思います。しかもこ
の場は財布の紐はしっかり握っとけ!というKさんと一緒ということで
一度欲しいと思ったら他はまるで見えない私の性格は抑えられることと
なり、どうせ車屋さんに来たのだから他の車も見たら?という流れにな
るのです。オープンカーへの憧れ、他の車を見る余裕、そんな偶然が重
なりあった矛先にそいつはいたのでした。
 白い車体、黒い幌。エスクードという車は前回触れた通り、V6に対
する憧れもあった事から存在は理解していましたが、オープンモデルが
あるという事は知りませんでした。
 へえ〜こんなのがあったんですねえ〜、へえ〜へえ〜・・・・・・・
 とにかく惹きつけられました!こいつは私が今欲しいものを全て満た
している、何故そこまで言い切れる??
 僕はやっぱり四駆が好きだ。でも・・・心の隅に乗用車のスマートさ
に憧れる気持ちがある。こいつはスクエアなシルエットの割には四駆=
ジープみたいなものは感じられない。そして何より乗りたいと思い始め
たオープンカー!理由はこんな所だったかも知れませんが、とにもかく
にも、こいつに乗れば俺は格好いい男になれる!!そんななんとも可愛
げ(?)な気分にさせてくれるのに十分でした。
 こんな気持ちになってしまった私にもうこの車の悪そうな所を探る余
裕は皆無です。こんな感じで・・・
 ”平成元年で走行距離は5万8000km程、自分にしてみればまだ
  まだ全然現役!の感じ、5速マニュアルだし、パワーステアリング
  パワーウインドウ、特にこのパワー×2は嗚呼・・・なんて贅沢な
  んだ(爆)幌はマジックテープで幌骨に止めてあるというのも楽そ
  うだし。リヤシートも結構しっかり座れるようだし・・・・・・”
「お客さん確かジムニーを見に来たんじゃ?」と言う割には手ごたえを
感じたのか店員さんもニコニコ顔です。全くもってワタクシ、鴨になっ
ていました。
 しかし、私をここに連れてきてくれたのは会社の上司Kさんです。お
金の使い道は慎重に!この場で言われなくとも普段から言われ続けてき
ていますから、よおく私もわかっておりますよ。何よりこの白いヤツの
お値段が89万円、車検も無いから諸経費もそれなりにかかるだろう。
 元々28万円のジムニーをアテにしてここに来ているのですから、ハ
ァ・・・。
「まあこちらではエスクードの幌車を結構扱っていますよ」と店員さん
の言葉でなんとか財布と気持ちに蓋をしつつ、この場をあとにしたので
ありました。



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