JJに行く(前編)
 季節は夏から秋に変わる頃のことです。午前4時起床、空は・・・
晴れているようなので幌を外します。
 EPIのシングルガスバーナーとコッヘル、そして毛布を積んで国道
16号を八王子に向けて走り始めました。

 JJ・・・ジープジャンボリーというクロカン四駆乗りが富士スピード
ウェイに集まるお祭りのようなものが毎年9月初旬に開催されてました。
 ジムニーに乗っていた頃から一度は行ってみたいと思いつつも一人で
大宮から富士の麓まで行く自信がなく、ウダウダしてるうちに車は
エスクードへ乗り換え。
 今年こそ行こう!という訳です。しかし関東平野を東京より西へ車で
行った事がなかった当時の私。首都高はおろか都内を車で走り抜ける事を
怖がり、一番遠回りともいえる国道16号で中央道・八王子ICを
目指すルートを選択したのであります。

 八王子に入るまでは道路の流れも良く・・・まあこんな時間に行けば
渋滞は流石にないよねと余裕シャクシャクだったのですが、ICまで
あと数キロという所で打ち砕かれました。
 それまで自分が経験したことの無い大渋滞。まだ暑い9月、屋根を
開けたまま歩くより遅い速度で進むのは実に辛かったです。
 途中の交差点では左右から私の進む道路に無理矢理こじ開ける様に
ジリジリと進んでくる車達の群れ。ドライバー達が目でけん制しあう
中でのフルオープン。視線が突き刺さるような気分でした(苦笑)

 午前9時頃、ようやく中央道に乗ることが出来てエスクードでの
初高速道路です。
 相模原SAを過ぎ、ようやく渋滞もピークを越え高速走行が始まり
ました・・・がどんなにアクセルを踏み込んでもせいぜい120km、
ジムニーでも同じ速度で走っていたのでこれにはちょっとガッカリ。
 しかしそんな事よりももっと初心者ドライバーに辛い状況が
襲ってきました。フルオープンを襲う"風"です。
 時速80kmまでは実に気持ちの良かった風がそれを超え始めた頃には、
強い抵抗に感じられたのです。
 特に困ったのは大型車を追い抜いたり、追い抜かれたとき。
 すれ違う車に吸い寄せられるような風だったり、吹き飛ばされるような
風だったりと予想がたてられずまったく気の抜けない走行となって
しまいました。

 結局疲れを感じ屋根を閉じてしまい再出発。するとまるで別の車を
操縦しているような位、普通に動かせるようになりました。先程の
120kmというのも実はこの空気抵抗のせいで、アクセルを踏み込むと
ちょっと書けない速度まで上がって行きました(120kmだって不味いよな)

 富士スピードウェイに辿り着いたのはお昼を過ぎた頃でした。
 参加者達は敷地内の決められた場所をキャンプサイトとして陣取るのですが、
すでにもの凄い数の来場車で埋まっていました。
 その全てが4輪駆動車なのですから、たった1台で訪れた初心者&
比較的マイナーな四駆である僕達は雰囲気だけで逃げ出してしまいそうに
なりながらもわずかな空きを見つけて車を滑り込ませるのでした。

 後編に続きます。



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