残念ながら曇り空だった。しかし僕の心は唸りをあげて元気
良く回り続けるＧ１６Ａエンジンの様に盛り上がっていた。ま
もなく降りるＩＣだ・・・と思いつつ、気がつけば前を走って
いたのは赤いエスクードノマド。
　数多くのステッカーが貼られたこの車、もしや・・・と思い
ニヤニヤ笑ってしまった。
　集合場所は修善寺のとある駐車場。やはりあの車はそこに居
た。
　”初めまして”とお互い挨拶を交わしつつ、またお互いが”
やっぱりね”と言って今度はしっかり笑った。
　やがてガンメタのエスクードノマドと海を思わせる青いエス
クードが現れた。
　４台のスズキエスクードが駐車場に並ぶ。こんな光景はジー
プジャンボリーでもジムニ―カーニバルでも見た事がなかった
　けっして暖かいとは言えない１１月の寒空の下、しばらく写
真撮影が続いた。
　もう１台来るハズだったＶ６／２０００ｃｃのエスクード。
　しかし残念ながら現れることはなく、またどこかで会う事を
期待しつつこの場を移動する事に。
　この度の案内役を自らかって出てくれた赤いノマド乗り”は
いどらさん”先導の元、４台のエスクードは山中のフィールド
に向けて走り出した。

　どこをどの様に走り伊豆の一体どこの林道に入っていったの
かを説明する事が出来ず大変申し訳ないが、やがて未舗装路が
姿を現した。全台が全て停車し、トランスファーを４Ｈにシフ
トする。気合が入って４Ｌにしたメンバーもいたのかも知れな
い。
　何にせよ四駆乗りとして心が弾む瞬間である。実は私にとっ
て初のエスクードによる林道突入の瞬間だった。

　その頃、小さいながらも雨粒がとうとう落ち始めた。雨の林
道・・・不安な状況であるハズなのだが、前後には心強い仲間
がいる。天気が悪かったからという言い訳も言えなくはないが
正直な話あまり景色の事は覚えていない。
　前を走る赤いノマドのテールとルームミラーに映る青いエス
クードばかり夢中で追いかけていたような気がする。
　せっかく林道に入ったのだから、山の中でランチをしようと
しばし駐車。私の車の中にあったブルーシートで２台のノマド
の屋根を繋いで喫茶「野窓」が完成。
　少し”難民”っぽい雰囲気がまた良い。思えば”難民”とい
うキーワードもここから生まれた。
　この後、冷えた身体を暖める為に日帰り温泉へ。Ｗｅｂとエ
スクードをきっかけに知り合った我らは早速”裸の付き合い”
にまで至るのであった。
　話の冒頭にも出てきた我らと合流出来なかったＶ６・２００
０ｃｃのエスクード　実は伊豆までは辿り着いていて合流出来
なかったから”仕方なく”一人で林道を楽しんで帰ったという
話を聞くのはこれから１週間後のことになる。