Encounter
 
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Hakurou DenMinkara Blog 
 

 2006年12月3日、とある一台のエスクードの
戦いが、京の都で完結しようとしていた。
 あの友が駿馬(いやあ、実際にはバス(爆)に乗っ
てやってくる。
 これは行かねばならぬ、友に従い、いざ京都へ。な
あに、たかだか600km。我がレバンテにとって造
作もない事(いいのか、そんな事言って・・・)
 僅かばかりの兵糧(?)を載せたレバンテに鞭・・
じゃなくて、キーを捻りアクセルを踏んだ。

 今が一番の紅葉の見頃という京都市右京区の「京都コスモスパーク

」にて開催された「4WDPROJECT」主催の「PROJECT

CUPXCダートレース」。ただのダートコースではなくモーグル、

テーブルトップといったクロスカントリー要素までも含んだトラック

を1時間走りきり、その周回数で争う過酷なレースだ。

 このレースへの参戦を最後に引退する事になった「WESTWIN

」の「E376」号をどうしてもこの目で見たくて、およそ600k

mの道程を越えてここまでやってきた。

 「WESTWIN」とその応援で福岡から駆けつけたメンバーはバ

スで9時間を走りなんとか到着。いずれも苦笑いしたくなる程の強行

軍である。

 1周の予選を終えて遂にレース開始!「E376」号はグリップ不

足に悩まされながらも好位置をキープし、跳び出した。

 「E376」号はエスクード1600cc、レース規定によりクラ

スはジムニーと同じ。軽量+ターボのジムニーがここではどんな車よ

りも手強いライバルになった。また「E376」号の他にも2台のエ

スクードが参戦。自然、この2台とはよく絡む。ジムニーもそうだが

他のエスクードには絶対に負けて欲しくない。応援にも熱が入る。

 コーナーの立ち上がりはジムニー有利か、直線からの果敢な突っ込

みでオーバーテイクを試みるものの立ち上がりで置いていかれそうに

なる。しかし「WESTWIN」の2人のドライバーはトライアル競

技の職人である。トライアルセクションに勇猛果敢に飛び込み、時に

は車を飛ばしながら相手を追い抜く。序盤にジムニーと追突し運転席

側のドアを大きく凹ませるが、むしろドライバーの”斬レ”が増した

様だ。実に頼もしい走り、そしてトラックの中で1番に格好いい車だ

った事はひいき目に見た事を差し引いても間違いなかった。

 僕らが異変に気が付いたのは1回目のドライバー交代のピットイン

の時だった。やけに左リアのタイヤとボディの隙間が無くなっていた。

 実はこの時にショックアブソーバーの取り付け部がもげるというトラ

ブルが起きていた。しかしピットアウト、どう見てもトラブルを抱えて

いるのにも関わらず、斬れた走りを何周も続けた。何故レーススピード

で走っていられるのか僕には理解出来なかった。しかしやがてそのタイ

ヤとボディとの隙間は完全に失われボディとタイヤが干渉し続ける事態

に。実はコイルも脱落してしまい、ショックとコイルというアキレス腱

を完全に失っていたのだ。

 これ以上は危険とオフィシャル側に判断され、残念ながらリタイヤ。

「エンジンは好調だった、足回りさえ問題起きなければ僕は本当に表彰

台狙っていたんですよ。3位あたりを走っていたのになあ」と悔しがる

ドライバーでありこの車のオーナーである島さん。確かに残念ではあっ

たけど、しかし島さんが言う通りの素晴らしい走りを見る事が出来てそ

れだけで充分感激した。さらに「E376」号をコース外に退避させる

為になんと僕がそのハンドルを握る事になった。シートに付いてシミが

かつてこれが自分の車であった事を思い出させた。涙を堪えつつシート

に座り、なんともぎこちない動きで僕のレバンテの隣に駐車させた。

[おつかれーっ][いやあ、やっちまったよ][なんの、よくやったさ]

 そんな聞こえる筈のない声を聞いた様な気がした。

 お疲れ「E376」号。本当にカッコよかったよ。

    レースの方は続いて2000cc以上のクラスへと続いたのですが・・・すいません。もうそっちのけで宴会が

   始まりました(オフィシャルの方、本当にごめんなさい)「揚脚」とEncounterの合同大宴会です。

    私はいつもの焼肉、丸鳥のポトフ、そして初お目見えの挽肉と豆のカレーを出したのですが、初参加のCOMP

   ASSさんが振舞ってくれたとても美味な焼肉、揚脚からは真鯛、河豚といった高級魚の干物が出てきてお互いの

   炭火の上を飛び交ったものだから、食うもの全てが美味い!そして大盛りあがり!実に楽しいものになりました。

    以下は跳び出した世迷言のいくつかをご紹介。

   「えっ、コップでいいんですか?」「カレーは飲み物ですから」
   「まったくこの景色をみせて誰も京都に行ってきたなんて信じないよなあ(笑)」
   「うん、どこへ行っても難民キャンプだよね」
   「ほれっポチ、お食べ」「ワンワン、あつっ!!!」(頬にアツアツの肉が・・・)
   「くっそ〜、今日ここに泊まれたら絶対飲むのになあ・・・運転代わってよ〜」

    あ〜もう一度言わせて下さい。”楽しかったし、美味かったあ〜”・・・・寒かったけどね(苦笑)

 

 
    寒くて日が暮れるのが早い冬の京都です。あっという間に楽しい時間は過ぎて終わりのお時間となりました。

    「また必ず会いましょう」「また福岡に行きますよ、その時は飲ませてください」

    島さんは以前レースで使っていたハンドル、GEOLANDERの長靴(おっ、ついに僕もMTを履くのか!

    ?と思ったらITでした(笑)などお土産を渡してくれて帰っていきました。そして今回ここまで駆けつけて

   くれた仲間達ともまたしばしのお別れです。

    「E376」号は、またしても僕に貴重な出会いと経験を与えてくれました。”彼女”はこれで眠りに入るの

   かと思いきや、4WDPROJECTさんのオフィシャルカーとしてこれからも活躍するそうです。また貴重な

   出会いを演出していくことでしょう。僕も彼女に負けない様にこれからもEncounterして生きたいと思

  います。

   さてそれから3週間後の12月23日、我が家では今年の忘年会をやっておりました。島さんから前日に届いた

  レースの模様を収めたDVDを鑑賞していたら、その島さんから電話がかかって着ました。いやあ、この間はどう

  も・・・と話を続けていると・・・

   「実はですね、TA01Wを買ったんですよ。今バラしているところです」

   「えっ!?本当ですか!?」

   「もうホントはあれで引退するつもりだったんですよ・・・いやあ流石に京都までは出張らないかも(笑)」

    島さんの操るエスクードがまた走る!その後、僕らが盛りがったのは言うまでもない。

    また観に行かなきゃならん、いや、行きたくなるだろうな・・・。